お悩みポイント
柿渋塗装のデメリットとして色の選択肢が茶色系に限られることや、水に対する弱さがあると言われています。
そのため、カラフルなカラーリングを楽しみたい人や急いで塗装を終えたい人 の人にはおすすめできません。
また、化学物質を含まず人体に無害であるため、小さな子供やアレルギーを持つ方にも安心して使え、持続可能な選択肢として注目されています。
そう言われても、「天然素材の塗料って扱いが難しそう!」「良いことばかりじゃなく悪いこともあるでしょう?」と疑問に思う方もいますよね。
そこで今回は、柿渋塗装のデメリットを中心に調査しました。
柿渋塗装のデメリットと解決策の提案
柿渋塗装のメリット
柿渋塗装に向いている人と向いていない人はどんな人?
柿渋塗装を始めたい人や初心者のための注意点など
柿渋塗装のおすすめ商品の紹介
柿渋塗装|5つのデメリットと解決策

早速、柿渋塗装の5つのデメリットを紹介していきます。
- 色が茶色系に限られる
- 塗装後の水に対する弱さ
- メンテナンスが手間(外装)
- 特有の臭いがある
- 塗装(塗り方)が難しい
1:色の選択肢が茶色系に限られる
これは、柿渋が持つカキタンニンが酸化することによって発色するためであり、無色や他の色合いは存在しません。
この特性は、柿渋を使用する際の大きな特徴であり、色の選択肢が限られていることを意味します。
したがって、柿渋を使用する際には、茶色のトーンを基にしたデザインを考慮する必要があります。
解決策はある?
市販されている柿渋ペイントの中には、化学塗料に微量のカキタンニンを加えたカラフルな製品も存在するため、それを使用することで色の選択肢は増えます。
ただ、本来の柿渋の特性を損なう可能性があるため、純粋な柿渋を求める場合は、成分を確認し、信頼できる製品を選ぶことが重要です。
また、従来品よりかなり高価な点にも注意が必要です。

以上から柿渋塗装は、
- 本来の柿渋塗装を楽しむには、色の選択肢に限りがある。
- 自然由来のカラフルな柿渋ペイントも製造されている。
ということを覚えておきましょう。

柿渋塗装をする場合は、茶色のトーンを活かしたデザインを考慮する必要がありそうね!

カラーリングを楽しみたい人は、柿渋の風合いを生かしつつ、多くの色を揃えた機能性塗料も選択肢に入れてみて。
2:水に対する弱さ
柿渋は未成熟な柿を圧搾して得られる天然素材です。
化学物質を含まないため安全性は高いですが、反面、外部環境に対しての耐久性は劣ります。
塗装から乾燥するまでの間は、水に触れさせないように注意が必要です。
解決策はある?
柿渋ペイントは十分に乾燥させ固着すれば、水に溶けだすことはありません。
反対に、乾燥固着前に水に濡れると、溶け出す可能性があります。
乾燥するまでは、養生するなど水や湿気を寄せ付けない対策が必要となります。
また、梅雨や湿度が高い時期をさけ、施工後のメンテナンスも考慮した設計をおすすめします。
以上から柿渋塗装は、
- 水に弱い性質がある。
- 十分に乾燥、固着させれば水に溶けだす心配はなくなる。
ということを覚えておきましょう。

時期にもよるけど、乾燥まで1日はかかると思っておいた方がいいわね。

水以外にも紫外線に弱い性質があります。
室内でも直射日光に当たらない場所に保管するようにしよう。
3:メンテナンスに手間がかかる(外装)
紫外線は塗装の発色を促進し、時間と共に劣化を引き起こします。
外部に使用する場合は、日の当たらない箇所に限定されるでしょう。
この場合も、環境に応じて1か月から6か月ごとの点検。
そして、1年に1回以上は再塗布するなどのメンテナンスが必要です。
解決策はある?
柿渋塗装を外装で使用する場合の劣化を遅らせるために、専用の保護剤を上塗りするという方法もあります。
また、日光 が直接当たる場所は色差が生じるため、そのような場所を避けるだけでもメンテナンスの手間を削減できます。
以上から柿渋塗装は、
- 外装で使う場合は、色の劣化を防ぐためメンテナンスに手間がかかる。
- 保護剤もあるが、過度の期待はしない。
ということを覚えておきましょう。

柿渋塗装を室内家具やインテリアなど「内装」に使用する場合は、メンテナンスフリーで半永久的に使用できるわ。

柿渋塗装を外装で使用する場合はは、メンテナンスの手間を受け入れ、それも考慮に入れて作業を進めて行くことが大切です!
4:特有の臭いがある
多くの人がこの臭いを「銀杏の腐った臭い」と表現するほど強烈で、特に初めて使用する方にとっては驚きの体験となるでしょう。
この臭いは、柿渋が未熟な柿の果実汁を発酵させる過程で生じる酢酸や酪酸といった有機酸によるものです。
解決策はある?
無臭タイプや低臭タイプの柿渋塗料もあるため、そちらを使うことで解決できます。
柿渋塗装の特徴と言える強烈な臭い。
外装ならまだしも、内装の場合は乾燥まで我慢できないという方もいることでしょう。
無臭タイプの柿渋塗料は、発酵過程で生じる臭いの元となる成分を取り除く特殊な製法で作られており、従来の柿渋の利点を保ちながら、臭いの問題を解決しています。
以上から柿渋塗装は、
- 柿渋の特徴である、特有の臭いがある。
- 無臭柿渋という選択肢もある
ということを覚えておきましょう。

室内の家具や布染めをする場合は、無臭柿渋がおすすめね。

臭いの強弱は個人差があるから、製品の説明だけでなく口コミや評価を参考にして、自分に合うものを選ぶことが重要だね!
5:塗装(塗り方)が難しい

柿渋塗装は、塗料が木材に染み込む性質を持つため、均一に仕上げるには熟練した技術が求められます。
柿渋塗装は木目を生かす塗装技術で、ベタ塗り塗装のように失敗部分を上塗りして補うことが難しいです。
初心者がいきなり塗布を行うと境目がはっきりと出てしまい、仕上がりが不均一になる可能性があるため、塗布は慎重に行うことが重要です。
解決策はある?
下地処理は非常に重要です。
その理由は、化学物質が木材の表面に残っていると、柿渋の浸透を阻害し塗装ムラの原因になるからです。
サンドペーパーを使用して表面を滑らかにし、汚れや油分を取り除くことで柿渋が浸透しやすくなります。
塗装の際は「刷毛」や「布」を使い、木目に沿って一定の方向に塗り進めます。
- 水性塗料用の刷毛を使用するようにしましょう。
- 刷毛は使用後すぐに水洗いし、固着を防ぐようにします。
- 気泡ができた時は、布で軽くふき取ってください。
自然乾燥させます。
指で軽く触れてしっとり感や接着感がなければ、2回目の塗布を行います。
この場合も十分に乾燥固着し、発色させ、色味を確かめてから次の塗布に移るのが理想的です。
思い描いた色味が出るまで、STEP2とSTEP3の工程を繰り返して完成です。
(一般的に3回塗り以上)
また、仕上げに布なので磨き上げるとつやが出てきれいに仕上がります。
以上から柿渋塗装は、
- 塗装が難しい。
- 作業工程を確認し、十分な準備が大切。
ということを覚えておきましょう。

木材の広い範囲を塗装する場合は、塗装面を濡らすことで、塗りフチがにじんでムラが少なくきれいに仕上がるわ。

布で塗ると光沢感が増すという説もあります。
一度試してみるのもいいかもしれませんね。
刷毛や布、どちらで塗るにしてもゴム手袋の着用はお忘れなく!
柿渋塗装|5つのメリット

柿渋塗装についてデメリットを理解した上で、メリットも紹介しておきます。
- 自然な仕上がりになる
- 抗菌・消臭効果がある
- 抗菌・消臭効果がある
- 自然由来の塗料を使った塗装技術
- 柿渋は幅広い用途で使われている

デメリットを踏まえたうえでメリットも理解しておくと、冷静に行動に移れて失敗を減らすことができるわよ。
自然な仕上がりになる
独特の赤褐色の色合いは深みがあり、木のぬくもりを目で感じることができます。
新築の外装だけでなく、インテリアのリメイクとしても人気の技術です。
抗菌・消臭効果がある
また消臭効果もあり、特にアンモニアを吸収する能力に長けており、ペットがいる家庭や飲食店での使用が推奨されます。
このほかに、防水性と防腐性にも効果を発揮するため、木材を水分から保護し、長期間にわたり美しさを保つことができます。
自然由来の塗料を使った塗装技術
化学物質を含まないため環境負荷が少なく、人体にも優しい塗料で、持続可能な建材や家具の仕上げにてきしています。
そのため、シックハウス症候群の対策として小さな子供やアレルギーや敏感肌の方のいる家庭に適しており、健康的な住環境を求める人にとって理想的な選択肢であるといえます。
柿渋は幅広い用途で使われている
- やけど、しもやけ、擦り傷、虫刺されの治療
- 肌荒れ、アレルギーの改善
- 収れん効果による肌のひきしめ
- 収れん効果:毛穴を一時的に引き締めて、汗や皮脂の過剰分泌を抑制する作用です。
- うがい薬として風やインフルエンザの対策用に
- 高血圧、脳卒中、胃潰瘍、発がん物質の抑制
- 活性酸素消去作用、二日酔いの予防

文献では10世紀の平安時代から、使われてきた柿渋。
古来から様々なものに応用されてきた理由は、その効果や効能にあるみたいね。

柿に対してアレルギーを持っている人や敏感肌の人は、ビニール手袋を着用して使用してくださいね。
引用をお考えの人は、事前に専門家など医師に相談しましょう。
柿渋塗装をおすすめする人の特徴は?
次に、柿渋塗装をおすすめする人の特徴を紹介していきます。
- 自然素材を求める人
- アレルギーやシックハウス症候群に敏感な人
- 独特の風合いを楽しみたい人
- DIYを楽しみたい人
- メンテナンスを気にしない人
自然素材を求める人
柿渋は100%天然素材であり、化学物質を含まないため、環境に配慮した選択をしたい方におすすめです。
自然素材を求める人に適しています。
アレルギーやシックハウス症候群に敏感な人
柿渋は抗菌・消臭作用があり、シックハウス症候群の原因物質を低減させる効果があります。
小さい子供やアレルギーを持つ人がいる家庭など、健康に気を使う方におすすめです。
独特の風合いを楽しみたい人
柿渋は時間と共に色が変化し、独特の風合いを持つため、経年変化を楽しむことができる方におすすめできます。
伝統的な日本の美意識にあった作品の仕上がりをお楽しみください。
DIYを楽しみたい人
柿渋塗装はコツさえ抑えれば、木材の美しさを引き立て、DIYを楽しむ方にはおすすめの技法です。
べた塗り仕上げとは一味違う塗装をお試しください。
メンテナンスを気にしない人
柿渋塗装は定期的なメンテナンスが必要です。
手間をかけても構わないという人には、ぜひおすすめの塗装技術です。

以上に該当する人でも、以下の「おすすめしない人の特徴」をぜひ参考にしてね!
柿渋塗装をおすすめしない人の特徴は?
柿渋塗装について、おすすめしない人の特徴を紹介します。
- カラフルなカラーリングを楽しみたい人
- 急いで塗装を終えたい人
- 柿渋の強い臭いが苦手な人
- 屋外での耐久性を重視する人
- 柿アレルギーの人
カラフルなカラーリングを楽しみたい人
柿渋は主に茶色系の色合いであり、カラフルな仕上がりを楽しみたい人にはおすすめできません。
この場合は、柿渋入りの塗料を使うことをおすすめします。
急いで塗装を終えたい人
柿渋塗装は乾燥前は水に弱く、また乾燥に時間がかかるため、迅速な作業を求める方にはおすすめできません。
作業開始から完成までを急いでいる人や、早く作業を終わらせたい人は柿渋塗装以外の塗装方法をお試しください。
柿渋の強い臭いが苦手な人
柿渋には独特の臭いがあり、臭いに敏感な方にはおすすめできません。
そのような人は、無臭の柿渋をお試しください。
屋外での耐久性を重視する人
柿渋は水に弱く屋外での使用には向かないため、屋外家具や外壁などの耐久性を求める用途に使う場合はおすすめできません。
ただし、日光が当たらない場所での使用やメンテナンスに手間がかかるなどの条件をクリアできれば使用は可能です。
柿アレルギーの人
以前に柿アレルギーの症状が出た人や、その恐れがある人にはおすすめできません。
柿に含まれる「タンニン」が原因と考えられ、軽症ならかゆみや腫れなど。
重症ならアナフィラキシーを起こす危険があります。
そういった症状が疑われる人はもちろん、使用中に症状が出た場合も使うのをやめ、医師に相談するようにしましょう。

キレイな仕上がりを求めると、気の長い人が向いているみたい。
臭いを気にする人や、カラーリングを楽しみたい人も不向きね。

おすすめできない人に当てはまっていなくても、柿渋塗装をする場合は使用上の注意を守って安全に作業することが重要です!
柿渋塗装|初心者の人におすすめ!ここから始めよう!
そういう方は、まずは以下のことから始めてください。
- 内装家具やインテリアから始める
- 無臭の製品から始める
- 本来の柿渋色から始める
内装家具やインテリアから始める
屋外で使用する場合はメンテナンスの手間がかかるため、室内のインテリアから始めることをおすすめします。
特に最初は小物から始めると、塗料の量も少なく、筆や小さな目地刷毛でも十分きれいに仕上がり、広い乾燥スペースも必要ありません。
また、残った塗料や養生用品の廃棄などのロスも少なく、経済的です。
慣れてきたら大きめの家具やインテリア、布染め。
メンテナンスの手間を受け入れることができるならば、屋外家具や外装に挑戦していくといいでしょう!
無臭の製品から始める
本来の柿渋には独特の臭いがあります。
乾燥すると臭いは消えるというものの、塗装工程でその臭いを嗅ぎ、嫌悪感を感じる人も多いです。
まずは、無臭の柿渋塗料を選ぶことでハードルを一つ下げることができます。
本来の柿渋色から始める
現在の柿渋塗装には、カラフルな色を組み合わせた製品も多く販売されています。
ただ、初めは柿渋本来の色合いを楽しんでいただきたいです。
素材を活かした柿渋塗装を楽しんでくださいね!
柿渋塗装を施した方の作品
柿渋塗装を施した作品をSNSから集めました。

プロっぽいですけど、味のあるステキな御朱印帳ね。
木板に柿渋塗装するだけでも、いい風合いが出そう!

キャンプに行くモチベーションが上がること間違いなし!

鉢植えの植物が良く似合うわ。
お庭のエクステリアにピッタリね。

本格仕様!
こんな使い方もできるんだ!?
柿渋塗装のデメリット|参考にしたおすすめ商品
記事作成にあたり、参考にした製品を紹介します。
柿渋塗装のデメリットやメリットで共感した人。
また、「自分はおすすめしない人の特徴にあてまってないよ!」という方は、ぜひ試してみてくださいね。
柿渋 塗料 100ml
小容量の柿渋塗料です。
小容量ですが、柿渋本来の臭いがあります。

小分けの無臭タイプもあります。
ターナー色彩 無臭柿渋 500ml
大手メーカーから販売されている無臭柿渋塗料です。

本粋無臭柿渋 柿多冨 カキタフ 1000ml 天然塗料
精製過程で臭いの元となる不純物を除去した無臭タイプの柿渋です。
パーシモンカラーワークス250ml 24色
柿渋エキスと植物油のみで出来た塗料で、うたい文句は”究極の機能性自然塗料”です。
水性塗料用刷毛
柿渋塗装用の刷毛は、水性塗料用の刷毛を用意。
塗布する面積にもよりますが、細幅・太幅ものがあると便利です。


柿渋塗装|関連する質問
最後に、柿渋塗装について質問と回答を紹介します。
柿渋は刷毛やスポンジで木材に塗布し、乾燥後に重ね塗りすると発色や防水効果が増します。
塗布後は風通しの良い場所で自然乾燥させ、仕上げに磨くと美しい艶が出ます。
柿渋は乾燥に時間がかかり、紫外線で発色が進みます。衣服に付くと落ちにくいため注意し、使用後の刷毛はすぐ水洗いを。
臭いが強いため換気をしながら作業し、低温時は発色が遅くなるので気温にも注意しましょう。
柿渋は重ね塗りすることで発色が深まり、防水・防腐効果が向上します。
1回ではムラができやすく、均一な仕上がりになりません。3回以上塗ることで耐久性が増し、より美しい光沢と風合いが得られます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

これから始めようという方の一助になれば幸いです!